2007年にPSPで発売した『クライシスコア ファイナルファンタジーVII』のリマスター版『クライシスコア ファイナルファンタジーVII リユニオン』(以下『CCFF7 R』)をクリアしました!
HDリマスターながらも、キャラクターモデル、背景、UI、システムを一新し、BGMのアレンジ、フルボイスまで対応したリマスターとリメイクのハイブリッドのような作品の『CCFF7 R』。
発売を控えている『FF7』リメイクシリーズの続編『ファイナルファンタジーVII リバース』を前に知っておきたい、『FF7』の核心でもある「ザックス・フェア」の物語を、HD化に止まらない手の込んだリマスターのおかげで、かつてPSP版を遊んだプレイヤーでも新鮮な気持ちで遊ぶことのできる作品となっていました。
対応機種 | PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Switch / PC |
プレイ人数 | 1人 |
ジャンル | アクションRPG |
CERO | C |
『FF7』を語る上で欠かせない「ザックス」というソルジャーの物語
今作の主人公「ザックス・フェア」は、原作『FF7』ではクラウドが影響を受けたとされる謎のソルジャーとして初登場し、後に発売された『FF7 インターナショナル』でニブルヘイム事件以降、クラウドがミッドガルに辿り着くまで一緒に行動していたことが明らかになります。映像作品「FF7 アドベントチルドレン」から出番が増え、以降の作品に登場するようになり、『CC FF7』でついに主人公の座を獲得しました。
『CC FF7』は、ソルジャーとしての活躍、エアリスとの馴れ初め、顔のバッテン傷のきっかけなど、ザックスがどんな人物であったかに焦点を当てたストーリーで、『FF7』本編はもちろん、『アドベントチルドレン』『ビフォア クライシス』『ダージュオブケルベロス』すべてのコンピレーション作品にも繋がる超重要な物語となっています。
そんな『CC FF7』も発売したのは15年前、しかもPSPの作品だっため、新たにゲームをプレイするとなると難しい環境になってしまったのですが、『FF7 リバース』を前に、ついに『CCFF7 R』としてリマスターされ、しかも「キャラクター3Dモデル・背景の一新」「バトルシステム・UIの改善」「フルボイス対応」「BGMのアレンジ」などの大幅クオリティアップを施して再登場してくれました。
生まれ変わったグラフィック、そして『FF7 リメイク』に準じて再デザインされたキャラクターたちが織り成す『CC FF7』の物語は、リマスターながらも新鮮な気持ちで楽しむことができました。
当時、何度も見たエンディングもこう作り直され改めて見ると、グッと湧き上がってくるものが…( ;∀;)
ストーリーの順序的にも『FF7 リバース』に向けた布石とも思える『CCFF7 R』。
リメイクシリーズ第2作目で、『FF7』リメイクシリーズと『CCFF7 R』をどう繋げてくるのか楽しみです!
15年の年月を感じさせない遊びやすさ
リマスターとしてはプレイした当初から言ってる通り、文句なしの出来であり、ここまで作り直されてリメイクと謳わないのかが不思議なくらいでした。
しっかりと現代のプレイフィールに合わせた改善で、バトルシステムに関しては原作よりもスピーディーにバトルが展開され、『FF7 リメイク』に近いシステムに設計になったことで遊びやすく、最後まで古臭い部分を感じることなくクリアすることができました。
原作は、アクションRPGながらも、RPGバトル要素のATB(アクティブタイムバトル)を踏襲していたので、攻撃の一撃にわりと時間がかかったのですが、今作ではそんなことはなく、コンボを出せるバリバリのアクションスタイルに変更。
逆に原作のRPG要素が強いアクションの方が良かったという人でも、ゲームオーバーになってもすぐにやり直しがきく設計で、体制の整えや難易度の調整も行い易くしています。
そして、『CC FF7』の特有のシステム「D.M.W(デジタルマインドウェーブ)」は、スロットの運要素は変わらずとも、リミット技や召喚獣を自分のタイミングで発動させられるようになったのもプレイしてみて便利と感じた点です。
それほどまで、バトルに関しての改善は目を見張るものがあり、リメイク版で『FF7』を知ったという人にも安心しておすすめできるリマスター作品になっています。
そしてもう1つ、便利と感じたのが「ダッシュ」の追加。原作は「歩く」「走る」の2種類でしか移動ができませんでしたが、今作には走るよりもさらに速い「ダッシュ」が追加されています。
『CCFF7』にはファストトラベル機能がないので、終盤に近付くにつれ移動できるエリアが増えれば増えるほど、移動がダレてくるのですが、「ダッシュ」を加えてくれたことでその辺はマシになっています。
PSP作品ゆえ、同じようなフィールドを移動させられることが多いのですが、原作当時はダッシュがなくともその辺特に気にせずに遊べてたような…。やっぱり時代の流れですかね。
リメイクのようでも、演出・エピソードに変更、追加は一切なし
ミッションはある程度こなし、クリアまで進めてはみたものの、演出やエピソードに変更・追加は確認できませんでした。強いて、一部シーンがリメイクシリーズに準じて差し替えになったくらいです。
フルボイスに関して、ミッションやモブキャラなど、すべてのシーンで声が充てられるようになったものの、セリフ自体はおそらく原作から変わっていません。テキストありきのセリフのためか、声が付くことで逆に言い方、言い回しに若干の違和感がある部分もあります。(特にカンセルの長い長い説明が…w)
原作を崩さないスタイルは良い事なのですが、ここまで作り直されてるがゆえに生じる“どこか違和感がある”部分も変わってないっていうのも何か惜しい気もしました。
ムービーに関しては、技術が進み、プリレンダムービーよりもリアルタイムムービーの方が綺麗という逆転現象が起こってるので、ここはリアルタイムムービーで作り直して欲しかったですね。(ザックスの顔もプリレンダとリアルタイムでは全然違うし)
あくまで“リマスター”なので高望みはできない部分なのかもしれませんが、プリレンダムービーのバスターソードや召喚獣をちゃんとリメイク仕様に作り直しているのでいけそうな気もするんですけどね。
個人的にはフルボイスになったことだし、演出の改善や追加エピソードがあっても良かったと思うのですが、原作忠実を貫くなら、いっそ『The Last of Us Part I』みたいに原作に忠実なフルリメイクにして、顔や体のモーションといった部分をもっと改善して欲しかったかも…。
ゲームとしては十分に手直しされているので文句はないのですが、ストーリー面を重視するとここもこうして欲しかったなーと思う惜しい部分があるというのが本音です。
サイドクエストとなる「ミッション」に関しては、ボイスが付いたりフィールドの作り直しがあっても、ミッション自体に何の変更もありません。
あの“敵を探して倒すだけ”という同じようなミッションを何回もやらされるので、早々に飽きが来ます。
やらなくても良いものではありますが、ちょっとしたボイス付きサブストーリーもあったりするので、「やらなくていい < やりたくない」になってしまうのはもったいないですよね。
ミッションについてはそのままってよりもいっそ大幅改善して欲しかったところでした。
『FF7 リメイク』を遊ぶと謎が残る新展開
先ほどの通り、『FF7 リメイク』に準ずる細かな変更はあっても、エピソード自体の変更・追加はありません。
『CC FF7 R』も原作通りのストーリーだったゆえ、『FF7 リメイク』プレイヤーにとっては、「結局リメイクのエンディングなんだったん…?」「『FF7 リバース』トレーラーのシーンは何?」と謎を呼ぶ展開になってしまいました。
独立した何かが動き出した反面、『FF7 リメイク インターグレード』に『CC FF7』にちょっっっと登場したヴァイスとネロを登場させていますし、コンピレーション作品たちをちゃんと『リメイク』シリーズに繋ぐ動きもあるんですよね…。
原作に通りに進むとは言え、こうなるとやはり『リメイク』シリーズには原作にない“大きな仕掛け”が施されている気がします。
『CC FF7』のストーリーをリメイクシリーズでも正史とするなら、『FF7 リメイク』『FF7 リバース』の“あのシーン”たちをどう説明するのか、今後のリメイクシリーズの展開がさらに楽しみになってきました。
オススメするなら
- PSP原作『CC FF7』をプレイした人
- 『FF7 リメイク』をプレイした人
- 『FF7』よりも過去の話を知りたい人
- 「ザックス」という人物をもっと知りたい人
- というか『FF7 リバース』にも関わる重要な部分だし、キャラクターモデルも一新され、かっこいい&かわいくなり、ちょい役のティファもちゃんと喋るようになってるし原作クリアした人も『FF7』好きなら絶対プレイしてほしいです。
そういえば、ザックスの顔のバッテン傷について、横線はアンジールによって付けられたものですが、縦の傷については特に説明ないですよね?
アンジールとの戦闘中付いたとも考えられますが、一説によると、縦線の傷は忘れないために“ザックス本人が付けた”というのもあるのですが、真実がわからなくてモヤモヤしてます。どこかちゃんとした記述がゲーム中や資料であったりしたら、教えていただけるとハシキが喜びます。