孤独なサラリーマンが奇妙な世界へ迷い込むパズルアドベンチャー『The Plane Effect – サラリーマン –』クリアしました!
いちサラリーマンの「ソロ」が、仕事終わりの通勤路で奇妙な異世界へと迷い込んでしまい、家に帰るためにパズルのような世界からの脱出するパズルアドベンチャーゲームです。
イタリアのインディーゲームスタジオ「Innovina/StudioKiku」が開発し、シンプルで美しいグラフィックと映画のような音楽が見事に奇妙な世界観にマッチした何とも不思議なゲーム。
セリフはほぼないに等しく、説明もない、一見難しそうなゲームですが、中身は意外と優し目な難易度でした。
パズル要素もありクセのあるゲームではありますが、パズルゲームが苦手な方でも楽しめるよう、アシストモードがあるのでゲームの雰囲気を楽しみたいだけでも難なくクリアまで辿り着くことが出来ます。
対応機種 | PS5 / Nintendo Switch |
ジャンル | パズルアドベンチャー |
価格 | 1,540円(税込) |
プレイ人数 | 1人 |
開発 | PQube Ltd., Innovina / StudioKiku |
謎が謎を呼ぶ孤独のサラリーマン
主人公は何の変哲もない普通のサラリーマン「ソロ」。
夜遅くまで会社で1人仕事をしているところからゲームがスタートするという冒頭から孤独感がにじみ出ているのが何とも寂しさを感じずにはいられない主人公です…。
そんなソロは夜遅くまで1人で残業し、やっと帰宅できるかと思えばいつのまにか異世界へと迷い込みます。
その世界は、現実とファンタジーが入り乱れたようなディストピアな世界。時折、家族の幻影や思い出の写真が現れたりと、彼と何か繋がりがあるようなそんな世界です。
なぜ、そんな奇妙な世界に迷い込んでしまったのか。その説明は作中一切ありません。
何か意味ありげな雰囲気を醸し出しつつも、“考えるな、感じろ”と言わんばかりに説明が全くありません。
そもそも、彼が喋ることも、ゲームからの説もいもほぼないのでほんと謎が多い。
ゆえに、彼と異世界にどんな繋がりがあるのか考察が捗るのですが、なにせ情報が少なすぎるので一見 “ただ、異世界から脱出するただのサラリーマン” というストーリーになってしまっているのです。
彼の物語、人生の捉え方を完全にプレイヤーに委ねているので、場合によっては中身のないストーリーと捉えられてもおかしくないんですよね。
異世界で時折見る家族の幻影は何か、紙ヒコーキは結局何なのか、そもそもなぜ彼は“孤独”なサラリーマンなのか、彼自身の人生を感じるような出来事や思わせぶりなシーンは多々あるはずなのですが、どこかモヤモヤっとしたまま終わってしまう、何も説明しないことを味としたつもりが逆に仇になっているような、ちょっともったいないストーリーでした。
もっと彼の人生背景、内面、ソロという人物そのものを知りたかったのですが…惜しいなーという印象です。
ただ、グラフィックと音楽が相まってゲームの雰囲気はとても良いです。あまり考えず孤独なサラリーマンの異世界脱出劇を楽しめるならそこそこ良ゲーかもしれません。お値段もそんな高くないですし。
パズル < アドベンチャー
“パズルアドベンチャー”と聞いていたので頭の捻りが必要な謎解きを想像していたのですが、蓋を開けたらアドベンチャー要素の方が勝っていた印象です。
読み解く力が必要な謎解きももちろんありますが、基本的にいろんなものを調べまくってストーリーの進行に必要そうなものを見つけていく感じ。探り探りが重要な探索メインゲームでした。
パズルアドベンチャーなのでパズル的要素を期待していたので、正直そこはちょっと拍子抜けでした。
ぶっちゃけ操作性が悪いのでアドベンチャー要素よりもパズル要素を多めにして欲しかったですね。
ただ、パズル要素が苦手な方も安心してクリアできると思います。(謎を解かなくてもいい超絶イージーアシストモードもあります。)
謎解きがちょっと…と身構えなくても大丈夫な作品です。
逆にパズル部分に期待しちゃうと拍子抜けします。
それに、先ほどの通り、アドベンチャー要素が強いので、(操作性が悪いゆえに)操作にテクニックを要する場面もありますのでご注意を。
操作性のクセが強すぎる
これだけは言わしてもらいたい操作性の悪さ。
挙動のクセ、走り初めやジャンプにちょっとラグがあったりと全体的に動きがもっさりしています。(イメージ的には『サイレントヒル』のような動き出しに若干遅れを感じるような仕様)
これ、謎解きメインなら何ら問題なかったのですが、アドベンチャー要素が強いので、動きがもっさりしているのは中々致命的かと。
テクニックを要する箇所が結構あるので、このもっさり感にイライラしまうこと多々ありです。
車やボートの操作もスピードの調整が難しくハンドルも取りづらかったりでめっちゃやりにくい…そこもテクニックが必要になってくるので操作性ゆえリトライを繰り返しなんてことも…。
中年男性の動きとしては全く違和感はありませんが、この操作性で操作テクニックを要するのはどうかと思ってしまいました。
でもキビキビと動くようなキャラクターでも世界観に合わないし…ここがうまく噛み合ってない印象をうけました。
固定カメラもクセが強い
カメラ位置はこのような見下ろした形の固定カメラです。位置を動かすにしてもちょっと視線をずらせる程度。
これも、パズル要素メインなら問題ないのですが、アドベンチャー要素が強いとどうもこのクセのあるカメラ位置にイライラしてしまうことも…。
まず、奥行きを感じづらいです。
敵との距離感を掴みづらいし、こんな入り組んだ階段なんかあるといつの間にか落ちてしまうことなんてざらにあります。
ジャンプして移動する場面なんかは、もう自分の立ち位置がわかんなくなって落ちてやり直し…なんてこともざらにあるので難しいです。
そして、主人公を見下ろすタイプのカメラ位置なのもあって、演出上遮蔽物が手前にあることもあります。
この遮蔽物が、たまに謎解きのヒントになったりすることもあるのですが、時に物凄く邪魔になることもあるのです…。
この手のタイプのゲームではこういったカメラ位置がピッタリなのですが…ここも惜しいと思うポイントでした。
オススメするなら
- シンプルなゲームが好きな方
- お手軽にゲームを楽しみたい方
- 雰囲気ゲーが好きな方
- パズル要素は優し目の方がいい方
- 孤独なサラリーマンの異世界転勤を楽しみたい方
最近遊んだ中では珍しく不満点が目立ってしまう、惜しいゲームでありましたが、値段を見れ価格に対してわりとボリューミーな内容だったので楽しめた方だと思います。
周回要素はなく、一周で遊び切ることが出来るので、プレイする映画のような感覚でいれば十分楽しめる作品です。
「孤独なサラリーマン」、そして独特なグラフィックと雰囲気に惹かれ購入してみましたが、ほんと痒い所に手が届かない“惜しい”作品でした。
期待値が高かった分、不満点を多く挙げてしまいましたが、楽しみ方が違えば十分楽しめた作品だったと思います。
周回要素はない上、トロフィーの獲得が難しい(というより、コンテニューが効かず失敗すれば最初から始めなければならないものあり)のですが、何とかプラチナ獲得目指したいと思っています!