『バイオハザード ヴィレッジ』の発売から約1年半ほど経ってから配信されたDLC「ウィンターズ エクスパンション」に含まれる『シャドウズ オブ ローズ』クリアしました!
有償DLC「ウィンターズ エクスパンション」には、『バイオハザード ヴィレッジ』本編をTPS視点で操作できる「サードパーソンモード」と、マーセナリーズに新プレイアブルキャラを追加した「ザ・マーセナリーズ アディショナル オーダーズ」、そしてこのDLCのメインとも言えるイーサンの娘「ローズ」を主人公に据えた『シャドウズ オブ ローズ』の3つのコンテンツが含まれています。
「シャドウズ オブ ローズ」は、本編のその後を描く重要な位置付けであり、実質続編のようなもの。
イーサンから特殊な力を受け継いたことで悩まされてきたローズが、その力を消すために、人々の記憶を記録する菌根の意識世界へと入り込むことになります。
ちなみに「シャドウズ オブ ローズ」は、今回のDLCで追加された「サードパーソンモード」のように、TPS視点でプレイすることになります。
今回は、その「シャドウズ オブ ローズ」のみをクリアしたレビューとなります。
※ネタバレを含んだ部分もあるのでご注意ください。
対応機種 | PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One / Steam |
価格 | 「ゴールドエディション(本編+追加DLC)」 PS5 / PS4 5,991円(税込) Xbox Series X|S / Xbox One / Steam 5,990円(税込) DLC「ウィンターズ エクスパンション」 PS5 / PS4 2,001円(税込) Xbox Series X|S / Xbox One / Steam 2,000円(税込) |
舞台は16年後…立派に成長したローズの苦悩とは
「シャドウズ オブ ローズ」は本編から16年後が舞台。本編の2021年から2037年とだいぶ飛んだ末来となっています。
イーサンの娘であり本作の主人公でもあるローズ(ローズマリー・ウィンターズ)。
特異菌に感染したことでカビ人間となり、実質B.O.Wでもあった父親イーサンから生まれたローズは、その特異菌の能力を受け継ぎ、それによって周囲の人間から化け物扱いされ、友達ができない状態で過ごしていました。(白い汗のようなものが出たり、皮膚に模様が出たりしたらしい)
“普通の人間になりたい” という想いから、採取された菌根から、本編の元凶ミランダの記憶を辿り、能力を除去できる浄化結晶を見つけ出すことに。
その浄化結晶を見つけるため、菌根からミランダの記憶を探る過程が、本作のストーリーとなります。
本編では赤ん坊だったローズ、その時からすでに特別な力があることが示唆されており、普通ではないことは明らかでした。(そもそも体をバラバラにされてから復活もしてますし…)
「シャドウズ オブ ローズ」では、その特別な力の一端を扱うこともできます。
本編エンディングでは、特別な力は健在でも立派に成長していたことに安心していましたが、やはり特殊な力を持った親から生まれた故の苦悩はずっとあったようです。
イーサンから受け継がれた特別な力とは何か?謎に満ちていたローズを追うというだけでも、結構重要なストーリーとなっています。
ちなみに、空白の16年間については主なことは語られていませんが、クリス(16年後だと63歳)が現役というある意味恐ろしい事実は判明しています。
実質『ヴィレッジ2』?
ストーリーは、“菌根の記憶を辿る” 過程であり、16年後の舞台を探索するわけではなく、本編時のミランダの記憶を探るものなので、一部に新ステージはあるものの舞台は本編とほぼ同じ、現実世界ではなく夢のような仮想世界です。(故に、本編の武器商人デュークが悪役で出て来たりします。ここは本編と無関係で、実は悪者だったという意味で出てきたわけではないようです。)
いるはずのない、存在しない人がいたり、生物兵器ではない「フェイスイーター」という敵が出たりしますが、本編エンディングへの軌跡である重要な部分でもあり、このDLCをやるかやらないかで本編のエンディングも違った見え方ができます。
『バイオハザード』シリーズの核心に迫る…というよりもローズ本人、そしてウィンターズ家に焦点を当てた物語ですが、『ヴィレッジ』のテーマでもある “親子愛” がしっかりと描かれているウィンターズ物語の完結編となっています。
実質、『ヴィレッジ2』とも呼べる正当な続編であることは確かで、『ヴィレッジ』好きならプレイ必須ということですね…!
ちなみに、本編はチャプター制であるため、本編より探索要素は薄れていますが、その分テンポよくストーリーを進められるでしょう。
「ウィンターズ エクスパンション」に含まれる追加ストーリーではありますが、『シャドウズ オブ ローズ』単品だけでも買う価値は十分ありました。
TPS視点で遊びやすく
このDLCでプレイ可能となったTPS視点。FPSかTPSかの選択制の本編とは違い「シャドウズ オブ ローズ」では強制的にTPSでプレイすることになります。
体験版以降、本格的にTPS版を遊んだのは今回が初ですが、遊んでみるとやっぱりTPS視点遊びやすい…!
FPS故の、挙動の遅さや視野の狭さもTPSだと解消されており、FPSが苦手で『ヴィレッジ』はちょっと…という方にも是非この「ウィンターズ エクスパンション」でTPSにして遊んで欲しい!と思いました。
本編は選択制なので良いのですが、強制的にTPSにされる「シャドウズ オブ ローズ」では、FPS視点の本編に比べ臨場感や恐怖感が半減してしまうのでは…と思う人もいるかもですが、そんな心配は無用です…(後述で詳しく)
恐怖感は本編超え…!?
本編『ヴィレッジ』でも相当怖かったのに、『シャドウズ オブ ローズ』はそれを超える勢いでした…。
ホラー演出の強化により、序盤から「こいつらにやられたとんでもない目に遭う…」という恐怖を植え付けられる上、TPS視点で遊びやすくはなったものの絶妙に調整されている難易度は、“難しいけど頑張ればクリアはできそう” という緊張感もあり、常にハラハラさせられながらプレイしていました。
サバイバルホラーゲームとして見れば『シャドウズ オブ ローズ』は本編と同等…いや超えていたかもしれないですね…。
現実世界ではなく記憶の世界のため、現実では想像しえない演出やクリーチャーが待ち構えているという恐怖があるので、ホラー好きにはたまらん追加ストーリーとなってくれました。(『シャドウズ オブ ローズ』でもやっぱりヴェネヴィエント邸は断トツで怖かったですね…。)
ただ、その恐怖に反し親子愛もしっかり描かれ、涙腺を緩ませるような演出もあるので、“緊張と緩和” を巧みに利用したメリハリのあるゲームで非常に楽しめました!
家族愛に泣いた…イーサン好きはプレイ必須!
ローズと切っても切り離せないのが、父親であるイーサンの存在ですね。
娘のために、自らの命を懸けて救い出したあのイーサンを『シャドウズ オブ ローズ』で絡めないはずもなく、大方予想できるので言っちゃいますけどしっかりと登場してくれます。(本編でもイーサンの記憶は菌根に記録されていると明言されています。)
ある程度の絡みはあるだろうなと踏んではいましたが、そこはしっかりと描かれていたことに驚き。
父娘の16年越しの出会いに、本編をクリアした方は涙しないわけないじゃないですか…!
たとえ幻影のような存在でも、父であることに変わりはなかったイーサンを見れるだけでも、『シャドウズ オブ ローズ』はイーサン好きならプレイ必須間違いないでしょう。
ただ、母親のミアについてはほとんど触れられていなかったのが残念でした。生きてるはずなんですけど焦点がイーサンに当てられすぎてて『シャドウズ オブ ローズ』では若干空気でしたね…。
母親までも菌根の記憶の世界に引きずり込むのはかわいそうですが、3人の家族愛も見たかったかも。
オススメするなら
- 『バイオハザード ヴィレッジ』をクリア済みの方はもちろんとして
- 本編よりも怖いダークファンタジー版『バイオ』を体験してみたい方
- ローズについてもっと知りたい方
- イーサンが好きな方
- 「TPSモード」「ザ・マーセナリーズ・アディショナルオーダーズ」も含めオススメです!
ファンタジー要素も泣ける要素もあってぶっちゃけ『バイオ』っぽくないのに『バイオ』としては十分すぎるほどの恐怖感がたまらなくクセになって満足のいく追加ストーリーでした…!(でもて扉開けた瞬間でてきたミア人形は絶対許さないし、ローズがイーサンの手紙を読むシーンでローズよりもボロッボロに泣いてたのは秘密)
これにて「ウィンターズ」の物語は完結したということですが、続編に向けた謎(悪堕ちBSAAの件とか空白の16年間は何があったのか)はまだ多くあるので、今後『バイオハザード』をどう展開させていくのかも楽しみです。